
クリオネです。
小学校で働いています。
前任校の職員室で、偶然見つけた子ども詩集の中の一句を読んで、人の能力の神秘を想いました。
子ども詩集とは、全国どこかの小学生が書いた詩が活字化されてまとめてあるものです。たぶん非売品。
その中に、5…年生だったかな、が書いた、まるで俳句のようなこんな短い詩がのっていました。
窓の外は真っ白な雪
えんぴつの色が濃くなった
ぼくはこれを読んだとき、目の奥を刺すような雪の白さや、ノートの上のえんぴつの文字に目を落とす、その子の眼差しまで目に浮かぶようで、なんというか、体が透き通るようでした。作者は小学5年生。才能…というか、この才覚?のするどさに感動しました。
子どもと接していると、「才能」という概念が覆ります。
生まれたときは皆、じつは万能だったんじゃないかと。
詩人の谷川俊太郎さんは
「人の成長は年輪のように重なっていくもの。過去はすべて内包されている」
と言います。
今はもう、忘れてしまっている、内に秘めた能力は、いまここに、体の奥に確かにある。
そんな、人間の神秘を想ったできごとだったのでした。
(Clione)